蹴りたい背中

 ■作品評価
  92点(名作)
 ■コメント
主人公が微妙な感情を抱くようになる過程を描いた、綿矢りさの代表作
作者が若いとはいえ、ここまで高校生を鮮やかに描写できる文章力に感服しました。文章の軽さ・薄さも申し分ありません。高校生の感情を描くという観点から考えると、“読み疲れる”ほどの分量を読者の投げかけるべきではありませんので
「最年少で芥川賞を受賞したから」という理由で多数に読まれた作品ですが、そういった切欠がなくとも読んで欲しい作品。僕の好みにマッチしたので、珍しく『名作』の評価を提示しました
第130回芥川龍之介賞を受賞